幻想再帰のアリュージョニスト読む

18禁ゲームとかはてな村が好きな人が「幻想再帰のアリュージョニスト」読んでみる

幻想再帰のアリュージョニスト読む2-7

今回は主人公の過去振り返りをやりながら、先の展開に向けての伏線をぺたぺた貼っていき。それをやりながら、目の前の強敵(2-4から考えるとフリーザ様第三段階みたいな感じ)も倒すと言うことで相変わらずあれもこれもと忙しい。しかし2-4から発生した第6階層での戦闘は今回でいったん終了。ここらでいったんちょっと展開落ち着くかなー。というか展開自体はそんなにはやくないんだけど、とにかくいちいちいろんな事を詰め込んでくるねこの作品。

戦闘に関しては、今この時点から見ると2-4~2-6の描写はそれなりに抑え気味だったのだな、と。中二的TUEEEEが発動して私大喜び。



主人公にいろいろ設定ある感じ

『どうしてだろうね。貴方は何をどうやっても僕と引き合ってしまう巡り合わせらしい。いずれ貴方はアズーリアとも引き合うんだろうね、儚く危ういゼノグラシア。であれば、貴方はここで失われるべきではない。貴方が僕を救い出してくれたように、今度は僕が貴方を救い出そう。さあ、貴方という存在を、遡って。そして語り直すことを許して欲しい。それがどんな痛みでも、そこから貴方という存在が立ち上がってくるはずだから』

「神は言っている、今はまだ死ぬ定めではないと・・・」、じゃないけどなんとなく思い出したので。ループや蘇生ではなくて「語り直す」というのがドンキホーテみたいだね。語り直されることで復活できるとしても、微妙なところで変わってくるとかかな。ヲルヲーラに限らず、外の世界の干渉がたくさんありそうで大変だなぁ。このあたりはまだわからんので保留。

『あの人』が言った。その罪悪感は見当外れだと。奇しくも、アズーリアと似た言葉だった。

屍を直視するたび、感情に蓋をする。そうやって心を平常に保ち続けて、シナモリ・アキラが出来上がっていく。硬質な精神が欲しいと、感情制御にしがみついて生きてきた。本来いた筈の誰かは、ずっと昔にどこかに引っ込んでいなくなってしまった
『心を鎖した貴方は、だからこそ規範を外部に求めている。貴方にとって大切なものは、内側じゃなくて外側にあるんだね』

・物語の始まる前に主人公に影響を与えた人物がいたり、今ここにいない誰かが自分を引っ張っていく、という系の話って最近よく見かけるな。そういうのが特にいない私はどうすれば良いんだ。
ログホライズンもそうらしいし、ただ、主人公の性格的に「グリザイアの楽園」シリーズとか「fate」シリーズのエミヤキリツグとかを思い出す。こういうのって呪いであって、克服できるまで反復される傾向にあるよね。



・個人的に「感情を喪失した」とか「感情を抑制した」みたいな主人公は嫌いじゃないのだけれど、今までの印象だと内向的なぼっち気質って感じ。本人が自分で思考の順序が逆だって言ってたし、感情はちゃんとあって、それに後から理屈づけしてるだけで感情抑制そのものができてないと思う。 当然だけど感情が本当に抑制されてるって表現難しいそうだよね。そのあたりはニトロプラスの「Hello,World!」とか「塵骸魔京」の主人公の方がやっぱり優れてた印象。まぁ完璧でないのがこの作品の主人公の持ち味だからこれはこれで良いのか。
俺、中学生だけど正直感情が無くて全てが滑稽に思える・・・ | 爆笑VIP速報-2chまとめブログ-



・アキラに関してはぎこちなさが半端ないので正直こういうのってすげえおちょくりたくなるよね。トリシューラがいじりまくってるのすげえわかる。それと別にトリシューラがおちょくるのは、自分は人間らしくなりたいのに、アキラがそれを捨てようとしてるところの反発とかもあるんだろうな


・戦闘部分および、「文字」の伏線については現時点ではわからんことだらけなのでノーコメント。

トリシューラの方は梵字真言なのか漢字が入り交じり訳が分からないことになっているが、どこからどう見ても言い訳の余地無く『俺の前世の言葉』である。

・生麦生米巫女巫女ナース。 「私以外のすべてが遅い」も兄貴っぽくて良い。

『まだまだいっくよー!』


・命の価値についてだいぶさらっと書かれてるけどそんなにわかりやすい理屈でしたっけ。

転生という新技術は、俺の元いた世界における『死』の価値を良くも悪くも変容させた。 転生保険に加入できる富裕層の命は、加入できない貧困層の命より相対的に軽い筈だ。 命が安くなるということは。献身行為にインセンティブを与えるということでもある。転生が前提となる人生を経験してきた、『命が軽い世界観』の持ち主が、丁度良くここにいる。

己の命を軽く見積もることによって常人では取り得ない行動を取るという意味で言うと、「シークレットゲーム」の主人公やらアカギやらを思い出すし、逆に自分の命だけでなく特定の人間の生命以外軽く見積もるタイプだと最近「極黒のブリュンヒルデ」のイチジクさんは結構おいしいキャラだった。ブリュンヒルデは全体的に命の価値が軽く、それに対する態度が両極端なので良い。



・能力に対してストックとかブースターが必要になる設定ってなんか良いよね。昔からこういうの好きなんです。クレイモアの姉妹とか、「月姫」の秋葉琥珀とか。信頼関係から、ただのえさ扱いまでいろいろありますよね。



・いろんな形の不死が提示されてるな。コルセスカは命のストック?(バーサーカー)、トリシューラは再現?(傷ついた赤)。トライデントの使い魔も、「生命としては何かと一体化されることによって、意思はなくとも動き続けることができる」という意味では不死か(ノトーリアスBIGのスタンド)。他にも 超再生とか、死の条件が外部にあるとか、ゴーレムのような呪術的無敵とかいろいろあるけどやっぱりこの後も出てくるのかな。 主人公は転生あるいは「上位存在として物語られる対象が有る限り不滅」という要素もあるかもしれない。このあたり、この作品がゲームのを模しているのか物語を模しているのかよくわからんところある





・カーインさんwww これは間違いなく腐れ縁フラグwww

 第六階層から第五階層へと移動する途中、カーインが俺に連絡先を教えろと要求してきた。時を置いて、いずれ果たし合いを申し込むらしい。端末の固有アドレスなど持っていないことを告げると、小さなメモに文字を書いてこちらに寄越してくる。

コルセスカ・トリシューラと聖書

アズーリアにも何かあったっけ? このときは意識してなかったからまた後でチェック

「パワードエクゾスケルトン、モデル『狼の皮を被る者』、起動」

マタイ福音書10章6節。

「わたしはあなたがたを遣わす。それは、狼の群れに羊を送り込むようなものだ。だから、蛇のように賢く、鳩のように素直になりなさい。人々を警戒しなさい。あなたがたは地方法院に引き渡され、会堂で鞭打たれるからである。また、わたしのために総督や王の前に引き出されて、彼らや異邦人に証しをすることになる。引き渡されたときは、何をどう言おうかと心配してはならない。そのときには、言うべきことは教えられる。実は、話すのはあなたがたではなく、あなたがたの中で語ってくださる、父の霊である。兄弟は兄弟を、父は子を死に追いやり、子は親に反抗して殺すだろう。また、わたしの名のために、あなたがたはすべての人に憎まれる。しかし、最後まで耐え忍ぶ者は救われる。一つの町で迫害されたときは、他の町へ逃げて行きなさい。はっきり言っておく。あなたがたがイスラエルの町を回り終わらないうちに、人の子は来る。

トリシューラにあてはめて考えると、トリシューラはアキラにとってまさしくこの蛇のように狡猾で(知恵の果実を授ける存在としても?)、鳩のように素直なキャラと言える。また、自分より高位の存在の教えに従順なあたり、まだまだ独立した存在となりきれないあたりもそうかもしれない。




・「与えよ、さらば与えられん」はルカの福音書6

あなたに求める者には与えてやり、あなたの持ち物を奪う者からは取りもどそうとするな。人々にしてほしいと、あなたがたの望むことを、人々にもそのとおりにせよ。自分を愛してくれる者を愛したからとて、どれほどの手柄になろうか。罪人でさえ、自分を愛してくれる者を愛している。自分によくしてくれる者によくしたとて、どれほどの手柄になろうか。罪人でさえ、それくらいの事はしている。また返してもらうつもりで貸したとて、どれほどの手柄になろうか。罪人でも、同じだけのものを返してもらおうとして、仲間に貸すのである。しかし、あなたがたは、敵を愛し、人によくしてやり、また何も当てにしないで貸してやれ。そうすれば受ける報いは大きく、あなたがたはいと高き者の子となるであろう。いと高き者は、恩を知らぬ者にも悪人にも、なさけ深いからである。あなたがたの父なる神が慈悲深いように、あなたがたも慈悲深い者となれ。人をさばくな。そうすれば、自分もさばかれることがないであろう。また人を罪に定めるな。そうすれば、自分も罪に定められることがないであろう。ゆるしてやれ。そうすれば、自分もゆるされるであろう。与えよ。さらば与えられん。人々はおし入れ、ゆすり入れ、あふれ出るまでに量をよくして、あなたがたのふところに入れてくれるであろう。あなたがたの量るその量りで、自分にも量りかえされるであろうから」。

これは返報性の原理ではなくむしろその否定について語っている部分。無償の愛の話というよりはむしろ「ゼロ」の話。何かの実数をゼロで割ると無限になるという原理の話。 ここを勘違いして返報性を求める言葉として使ってしまうと、大空寺あゆ様からの説教「私はパンを焼いてあげました。」不可避。
http://www6.ocn.ne.jp/~fronts/kiminozo3.html
コルセスカにあてはめて考えると、見返りとしての助力ではなく、もっと本質的なところでアキラを求めているという感じか。トリシューラが見返り要求のポーズを取っていて、それが現時点ではアキラにとって非常になじみやすいのと比べると不利に思えるけど、逆にアキラの心を揺さぶるのはこちらだろうし、さらにアキラがあこがれる「殺人鬼」のイメージとはコルセスカの姿勢の方が相性が良いでしょうね。



・「炎(悲惨な出来事)は(真の)人間を証明する」はセネカらしいです。
ttp://d.hatena.ne.jp/panda_rubber/20140714/1405340611
に解説ありです。使用条件はまぁアキラの向こう見ずな行動に条件があるらしいです。

元ネタチェックについては今後このサイトにお任せすれば良いような気がしてきたので、私は今後気になったところだけチェックしていこうと思います。