幻想再帰のアリュージョニスト読む3
なるほどはてな村奇譚の作者さんがこの作品を好きになるわけだ(違
第五階層はヒャッハーはてな村っぽいです
・前回第五階層制圧・掌握してから半年後。土地の奪い合いはなくなった代わりにバカッター(物理)が蔓延
この場所の法はひとつ。公然たる戦闘行為には、誰でも、自由に、裁きを与えて良いとする法。残虐な、私刑の推奨。
犯罪者、というよりも、犯罪が露見するような「へま」をやらかした者は「人狼」と呼ばれ、死者同然の無残な扱いを受ける。
下らない風景だ。襲撃も暗殺も、ここではありふれた日常でしかない。失敗すればああやって日常を過ごす人々によって食い物にされるのだ。
様相を変えた第五階層は、今もなお迷宮だ。ここは命があっけなく消費される戦場のまま、変化していない。
・はてな村ネタのような、「人目につかない場所での暗闘、暗殺」がトップページに毎日隠されずにさらされるコミュニティサービスははてなだけであり、このすばらしさがわからない人ははてなを使うのに向いてない(暴言)
とにかく街中で戦いが起きることはまずない。だが、こういった人目につかない場所での暗闘、暗殺は日夜行われていた。
・炎上記事ばかり書いてる人ははてブで威信値を凍結されぼこぼこにされるような感じか。野次馬がなぐりあいをあおり立てるのもはてブテイスト
群衆はルールに反して戦っている者から『物体構築の権利』を奪うことができる。第五階層の住人は喧嘩が起きるとはやし立て、それがエスカレートして殺し合いになることを期待する。そして我先にと物体構築能力を奪おうとする
・はてななの?モヒカンヒャッハーなの?ハンドアクス推奨なの?
「理性は失われた。文明は失われた。進歩は失われた。奪え、殺せ、勝ち取れ。野蛮へと絶え間なく後退し、停滞し続けることを人類は選択した」
「野蛮でないものは失われた。ここは棍棒と呪術の世界。血と闘争、鉄の願いが支配する、地獄すら狩り場にして恥じない呪われた世界」
「だから今は祈ろう。祈りながら、祈祷の道具を鈍器に換えて、殴って悪夢を醒ましてやろう」
言語は通じない。贈与できる物品や感情はあいにく持ち合わせがないし、こいつにくれてやる気もない。
そこで、俺とこのクズの共通言語が登場する。つまりは暴力だ。
・ネット同様に、理論的には無限のスペースが確保できる状態になったのに、それでも結局人間は交流しないと生きていけないわけで、狭いところに集まって、人と人の間でごちゃごちゃやってると。そこに集まる人たちの心が承認欲求の虜であったりメンヘラであったり戦争状態にあると、そんな心のすさんだ場所でははてな村という暴力団が幅をきかせますよと。
世界槍の「空間を自由自在に構築・破棄する」「広い空間を折り畳む」などといった呪術を解析。
人口と面積が比例するシステムにも関わらず(あるいはそれゆえに)、中心ほど人口密度は高い。だれであっても、最低限の価値を保証された場所。そして、人間が交換可能な存在として競争や暴力に晒される場所。次第にこの社会で幅をきかせ始めたのはいわゆる暴力団、犯罪組織だ。それは暴力による情報と土地、そして物流の独占という形で行われる。
複数の要因が絡み合い、昼間の第五階層はかろうじて平穏を維持できている。無論、一歩でも人気の無い裏路地に足を踏み入れてしまえばそこは暗黙の法すら無い迷宮の中。人と異獣とが鈍器と爪で殺し合う修羅道だ。
歪な都市。街の形をした迷宮、と言った方が良いのかもしれない。ここは半年前と変わらず、異種族が殺し合う地獄だ。いや、ここでは勢力が異なれば同族同士でも殺し合うのだから、より悪い
なるほどはてな村奇譚の作者さんがこの作品を好きになるわけだ(違
第五階層は完全にヒャッハーはてな村だが、この作品とはてなの違いは階層移動ができること。とはいえ、主人公ははてな村じゃなくて4~6階層から上にも下にもいどうできないと。
・コミュ障には厳しいはてな村
俺は必死に相手との関係をこじらせないように交渉を試みた。そして、当然のように失敗した。言葉が喋れない、という欠点がことごとく悪い方向に作用し、殆どの場合暴力で決着がつくことになる。おそらく俺に多くの問題があるが、この世界のヤクザ連中の異様なまでの好戦性にも原因はあるように思う。
・この作品、本当にコミュニケーションとか呪術にこだわるな。「イムリ」も超面白いからみんな読むと良いよ。
俺がこの世界の言語を習得するのではなく、この世界が日本語を習得するという技術。呪術という独自の技術体系、思考基盤が関係しているのか、この世界の人々は言語をネットから幾らでも参照し、習得することができるようだった
・はてな村で身ばれ即死は常識。身ばれしても平気なのは上級者だけ。
名を知られると呪殺される危険がある(ただし呪術能力が下位の人間は上位の人間に攻撃できない)
・村長と戦うというのはこういうことですねわかります
いずれ俺はあの老人と敵対するだろう。他の組織ともそうなったように、必ず。それはあの老人が犯罪組織の幹部である以上、絶対だ。だが、複数のインフラを管理するあの老人を害するということは、この階層に住まう多くの人々を害するのと同じ事だ。それは正しくないことだ。それはわかっている。それでも俺はやるだろう
・異世界ですむときは覚えておこう。最低限の戦闘能力を獲得し生存を確保した先の話だけれども。
要約すると、当面の目的は医療福祉・言語コミュニケーション・情報インフラの三本柱である。
・おトメさんや村長や精神科医が言ってたネットそもものや一つのコミュニティにのめり込みすぎずポートフォリオ分散をなんていうのはあれってリアルに基盤がある恵まれた側の言い分ではないだろうかと思うのだよなそもそもネットにのめり込んでしまったりやり過ぎてアイドル化する人間が現実に安定した基盤を持てるわけでもないし一つのコミュニティに全リソース信用二階建てするくらいでないと何者かになれないという切羽詰まった状況にあると思われるので、そういうときにあのアドバイスはなめてんのかと思わざるを得ないわけだけれど彼ら彼女らって何の悪気もなさそうなのでただただふざけやがってと呪詛をはくしかできない無力な私を自嘲しながら続きを読むよ
現代日本は国民の四人に一人が六十歳までに自殺し、貧困層にとって怪我や病気が即人生の終了に繋がる末法の世。来世への信仰――異世界転生でもなければ生きる気力すら湧いてこない
はてな村っぽいところ以外の感想も。
・言語魔術師すげえ(こなみ)。言語学習や構築に関する話って概要だけだとすげえおもしろいんだよな。実際は発狂しそうなくらいめんどくさいんだと思うんだけれど。
あ、いいのか、論理破綻していて。論理的な整合性があったらそれは科学技術だ。破綻しているのに見た目上は破綻していない感じや雰囲気があるから魔術であり呪術なのであって、そこを踏まえれば彼女は正しく異世界の住人なのだ。 我々の世界と似てはいるが異なる法則、異なる系に属する世界。
――これが、異世界。
おそらく貴方は、自分でも知らないうちに致命的な相手に出逢ってしまっている。二回目の改変は貴方にとって救いだったのでしょう。けれど最初の改変は、どうも不穏なもののようです。最初に出逢った呪術師に気をつけるといいでしょう
・自分が世界にとって圧倒的に異物で有り、偶然ではなく自らの意思で世界におけるあり方を選択せねばならぬというのはますます「永遠のアセリア」とか、なろうでいえば「RE:ゼロ」に近い印象
この世界では貴方の世界とは異なり、類推が物理的現象に作用します。文化と模倣子、模倣子と言語とが緊密な連関を持ちながら一つの構造を成しているのです。ゆえに、所属する共同体、思想的な基盤を置く文化圏特有の形態として、文字は書き手と読み手に認識される。つまり、貴方が文字を読めないのは、貴方がこの世界のどこにも居場所を持っていないからです あなたがどこか特定の文化圏に『根付く』ことができれば、あなたは自然に音声としての言語も、文字としての言語も習得できるはずです。
俺は一度『上』に味方し『下』と敵対したが、それは偶然でしかない。なにかの意思や信念によって自分の立ち位置を定めたわけではないのだ。だから俺はどちらの味方でもないと判断され。この世界そのものに、『どこにもいない』と見なされているのだ。
・ここらへん「魔法科高校の劣等生」テイスト。ただしこの作品はおにいさまだけがアドバンテージ独占するのではなくてむしろ敵がそれをもっておりそれにいかに対処するか、それを学習して自分のものにするか、という方向性であり、主人公が強いんだからええやろという形でフォローがない劣等生と比べてとても安心感がある。それともおにいさまの能力は15巻あたりからちゃんと各個対応されていってるんだろうか
空間を折り畳む技術が普及し始めたということは、武器を外見通りの性能から逸脱させることが可能になったことを意味する。見た目よりも巨大な質量。衝撃を受けきれない。今までの俺の戦い方では通用しない。暗器が仕込まれていることを警戒する必要すらある。この敵は攻撃力、防御力共に俺を凌駕している
・言語魔術師つええ(こなみ2) こ、これは氷結系なんとか魔法ニ○ルヘイム! (なぜか解説できるモブ役)
「私はよく人から、冷たいとか、氷のようだとか言われるのですが」
「貴方も、そう思われますか?」
「ああ、思っていることが素直に外見に出てしまう方ですね。そんな、態度で答えを示さなくても」
「それにしても、人のことを冷たい、だなんて」
「心外な評価です」