幻想再帰のアリュージョニスト読む

18禁ゲームとかはてな村が好きな人が「幻想再帰のアリュージョニスト」読んでみる

幻想再帰のアリュージョニスト読む4

明日からは1日2ページずつ読む。というかこれ追いつけるの?今見たら文字数160万字とか言ってるんだけど。4つめは、お話的にはそれほど大きな動きがなかったけど、相変わらずネットコミュニティに関する話として読むと面白かった。




ゼノグラシア。(後でちゃんと作品中で説明あり)

ちなみにアニメは見てない。ついでだからゼノグラシアの意味を調べてみたところこんな感じ。さっきの続きだとしたら、この作品では「応答型異言」の方かな。アニメはどっちだったのか。淫ベルというマシンとのコミュニケーションが主題だと聞いたことがあるので「朗唱型異言」かな。淫ベルがガルガンティアチェインバーみたいにしゃべれるならそもそも全く見当違いなのだけれど、その場合は敵性生命体とのコミュニケーションにおいてゼノグラシアの概念が生きてくるのだろうか。まぁいいや関係なかった

学んでいない外国語や意味不明な言語を操る超自然的な言語知識および現象を指す、超心理学の用語。
朗唱型異言とは、知らないはずの言語を話したり書いたりすることはできるが、それを使って母語話者とコミュニケーションすることはできないという場合である。真性異言として報告されている多くの事例はこちらに属し、詳しく調べてみると、無意識のうちに記憶していたものが何かの拍子に出てきただけという場合が多い。一方、応答型異言は、母語話者と意志の疎通ができるという場合であり、研究対象としてはこちらの方が重要である。

・コルセスカさんが上位70位程度なのに対して、苦戦したしチート無かったら倒せなかったとはいえ1章で倒したやつは敵陣営のNo5かよ。とはいえ、最初のオオカミとか異獣のイメージに引っ張られてたけど地獄陣営もオオカミとか猿主体じゃなくて普通に人主体なのかな。逆に地上陣営も人以外もいるんかね。コルセスカさんも自己申告では上のようですし。




・これだけ呪術が発達してるのに?「技術」では五感作用系を扱わない?

私達の世界では人間の五感を器質的に操作する技術は様々な理由から発達しませんでした。


・5階層において上の勢力が圧倒的に有利になっており、上の陣営に属していればひとまずは安泰と思わせようとしておきながら、主人公の内面も、人間関係も、その他謎マスコットの会話でも、主人公がこの上の陣営と対立して下に降りていきそうなフラグを着々と構築しているのだが。

俺が気にするようなことは何も無い。俺のあずかり知らぬところに大きな流れがあり、それが世界を動かしている。一個人が関与できるようなことではないし、なるようにしかならない。だが、何も分からないままに操り人形になって踊るのは嫌だった。第五階層で独り彷徨う俺に仕事を与え、多くの便宜を図り、積極的なコミュニケーションをとってくれる首領という得難い相手を、俺は敵と見定めていた。

表向き共存が成り立っているとはいえ、この階層から一歩出れば敵同士。『上』と『下』の人間が互いに良い感情を持っていないことは明らかだ。この区画で多数派なのは『上』である。彼らは『下』の出身者がどうなろうと知ったことではないだろうし、同郷の者たちはここで揉め事を起こして『上』の組織に目を付けられることを恐れているのだろう

・このあたり完全にイムリやな。

呪術で俺の意思を奪い、どちらかの勢力の操り人形にした場合、俺はどういう扱いになるんだ?


・コルセスカ…さん?あれ、なんかかわいいぞ。

「どうしてなんでしょうね、貴方から目を離せない。昔の私を見ているようで、放っておけないからかもしれません。貴方の精神の有り様は安定しています。本来私が口を出す必要はないのでしょう。ですが――きっとあなたは、そのままではこの世界に独りです。」

「食事の誘いを断られてしまう場合、どうすればいいのかを昨日の夜から考えていたのですが」
「支払いは私がする、と言えば一緒に食事をしていただけますか?」
「あの、そんなに私と食卓を共にするのが嫌ですか」
「だから、私とひたすら話しましょう。それに専念していれば、一週間なんてすぐですよ」

↓ かーらーのー

「はぁ。それにしても、女性と食事をするだけのことにこれだけ面倒な段取りが必要な男の人って」
「暴力への依存。人間に値札を付けることへの忌避。義理や借りなどといった特定傾向に偏った社会性。そして贈与への無批判な信仰。ああ、これは確かに『獣』と言うほか無い」
「躾けて馴らして――調教してあげなくては」

ありがとうございますありがとうございます。





・「悪文かつこじらせ」で有名なあの人の文章がうまくなってしまってコミュ障でなくなったらどうやってキャラを維持するのか問題。そういえば全身ハリネズミ状態の主人公だった盾の勇者って最後どうなったんだっけ。

俺が他人を信用しきれないのは意思の疎通が上手くできないから。身を守るために警戒心が必要だから。しかし、コルセスカとなら意思疎通が出来ている事実が、その言い訳を、稚拙な欺瞞を暴いてしまっていた。 あるはずの居場所すら自分で切り捨てているのだとしたら、俺は愚かな選択をし続けているのかもしれない。

どちらにしろ暴力だ。片腕でできる仕事もそれなりにはあるが、見た段階で断られる事も結構ある。そうすると、名が売れている暴力の世界のほうが仕事がしやすい。悪循環というか、再生産というか、とにかく不毛だった

感情制御は厚意に対する感謝や嬉しさに対してその脆弱性を露呈してしまう。本当に俺が恐れるべきは深夜に俺の家に爆薬を投げつけてくる荒事屋でも、建物の陰からナイフを投擲してくる暗殺者でも、人払いをして集団で襲いかかってくる刺客でもない。そうした襲撃に疲れた頃にやってくる、頼りになる仲間の振りをした詐欺師だ。

炎上しまくってる人は、敵意やアンチに対しては上手に対応できるのだろうけれど、そっちに特化してしまって、はたして普通の人間関係に耐えられるのだろうかというのは前々から興味ある。ちゃんと切り分けできてるのだろうか。できているとしたらそれはそれでどういう感情制御アプリをインストールしてるのだろう。




・この主人公ガチコミュ障で共感できすぎてつらい。

この街ではそうしたことが日常的に発生している。人間が生活しているせいで勘違いしそうになるが、ここは迷宮の一部だ。本来は、殺し合っているのが正常なのである。だいたい迷宮の中で善も悪もあるか。殺人と略奪に関しては、それがここのルールだ。 善行も悪行も、特別なことではない。誰でもやっていることで、そこには大した価値は無い。矛盾するようではあるが、善行とは善ではない。

俺は社会と関わりたくないし人間と接したくない。接するとしたらどこまでも利己的な目的でなければ耐えられない。でなければ無意味な遊びや気紛れであって欲しい。自分以外の意思を持った存在なんていうのは、関わり合いになるには重すぎて耐えられない。情動を制御していてもなお苦痛を感じる。苦痛を耐えるのは俺のやり方ではない。俺に出来ることでもない。ツールで痛みを回避し、無視するのが最適な生き方だ。このままずっと、誰とも深く関わらずに、一人で気楽に生きていきたかった。


ゼノグラシア説明

「異なる言語に神秘性を見出す、バベルの塔神話の裏返し。前世の記憶や超越者、霊的な存在の関わりの他、文脈次第では意味の消失した構造のみの言語なども示す。貴方がこの世界にとって他者であるということです」
貴方はこの世界とは異なる文脈で生きています。言語、思考、世界観、文化様式、人格、技術体系。それらは非呪術的な世界においてはただの異質性でしかありませんが、ここはアナロジーの誤謬が物理法則を屈服させる呪術の世界。貴方のそうしたあり方は、それ自体が神秘を有している、ということです」

ネット世界は、現実以上に言葉の力が強いため、この作品世界ほどではないけれど、異質な思考の持ち主が、コミュニティに与える影響は大きいと思われ。



・これはLINEなどの議論でもよく出てくるはなしやね。「ともだち地獄」「やさしさの精神病理」「ほんとはこわいやさしさ社会」などで語られている共感重視の社会の弊害を思い出すと、こういう切断処理もむべなるかな。

「この世界は呪術、アナロジーが貴方の認識している以上に力を持っている。それゆえに貴方はより強く他人に対して共感してしまうのです」
「それならもっと共感性の高い、平和で互助的な社会になりそうなもんだけど」
「逆です。世界が共感をかきたてるからこそ、人間はそれを切断処理によって他人事にしてしまうことに慣れている。共感しやすい社会だからこそ人はより冷淡になる
「ここよりも共感しにくい世界から来た俺は、そのギャップに対応しきれず、共感してしまった?」
「ええ。貴方が普段想定している、『これは他人事』と切り捨てられる基準が、この世界とずれていた


・利他的行動の「動機」は利己的であるという話は面白かった。まーよくある話ではありますが。つまり偽善という言葉は他人の利己的な行為を他者が己の価値観で判断してそうレッテルしてる誤謬でしかなく、本人にとって偽善は存在しない

「利他的な行動に見えましたが」
「生き物は本質的に脳内でしか活動してないんだ。利他的な行動は俺の脳内で完結して脳内に帰ってくる。人間は『自己』を感覚・想像できる範囲まで拡張してしまう生き物だ。『自己』は肉体と完全に同一ではなく、曖昧なぶれがある。(中略)誰かが傷つけられていると、それが自分には関係無くても、似た記憶を呼び起こされたり自分にそれが降りかかった時のことを想像してしまう。その時脳には負荷がかかる。つまり俺の目に見える範囲で誰かが傷つけられている時、その加害者は見ているだけの俺の脳細胞にも危害を加えているに等しい」

・著作肖像権ってレベルじゃねーぞ

基本的に自分の記憶を元にした念写以外の方法で人間を撮影することは法律で禁止されています。呪殺を容易にしたり、場合によっては意識を感光材料に閉じ込めたりできるので


・最後の展開は唐突すぎてよくわからんけど、次の話でわかるでしょ。